
適切なメンテナンスで設備寿命を2倍に延ばす
焼却炉は高温環境下で稼働する設備であり、適切な保守管理を行わないと予期せぬトラブルや早期の設備更新が必要になります。計画的なメンテナンスにより、設備寿命を大幅に延ばすことができます。
日常点検の重要性
毎日の運転前後に以下の項目を確認することで、異常の早期発見が可能になります。
- 燃焼室内の目視確認(亀裂、剥離の有無)
- 排ガス温度・色の確認
- 異音・異常振動の有無
- 圧力計、温度計の指示値確認
- 灰の排出状況確認
定期点検の実施
法定点検に加え、メーカー推奨の定期点検を確実に実施しましょう。
月次点検
- バーナーノズルの清掃・点検
- 排ガスダクトの点検
- 各種フィルターの清掃・交換
- 潤滑油の補充・交換
年次点検
- 耐火材の打音検査・補修
- 燃焼ファンのオーバーホール
- 排ガス処理装置の性能確認
- 電気系統の絶縁抵抗測定
- 安全装置の作動確認
消耗部品の計画的交換
主要消耗部品の交換時期を把握し、計画的に交換することで、突然の故障を防ぐことができます。
| 部品名 | 交換目安 |
| 耐火レンガ | 3〜5年 |
| バグフィルター | 2〜3年 |
| バーナーノズル | 1〜2年 |
| ロストル | 2〜4年 |
運転記録の管理
日々の運転データを記録・分析することで、設備の経年劣化や異常の予兆を察知できます。最近では、IoTシステムを活用した自動記録・分析サービスも普及しています。
作業員の教育訓練
適切な運転操作とメンテナンス技術を持った作業員の育成も、設備の長寿命化には欠かせません。定期的な社内研修やメーカー講習会への参加を推奨します。
これらの保守管理を確実に実施することで、焼却炉の稼働率向上とトータルコストの削減を実現できます。